アルコール依存症入院治療「精神科閉鎖病棟入院中の相部屋での一日の流れ」

アルコール依存症入院体験談等

精神科の隔離保護病棟から相部屋に移動してから自由にできることは増えた。ただし制限されていることも多く、相部屋といっても病棟のフロア内から自由に出入りすることはできない。あくまで私が入院していた病院でのルールなので、ほかの病院に入院した場合は異なる部分も多いと思うが、これから入院する方の参考までに今回は相部屋に移動してからのルールを書いておこうと思う。

これから精神科の閉鎖病棟に入院を考えている人は参考にしてね

入院中のスケジュール

週のスケジュールの内、固定で決まっているものは下記の内容。アルコール依存症治療患者はアルコール依存症治療プログラム(ARP)という専門の治療プログラムが組み込まれており、このプログラムを全て出席しなければ原則として退院できないようになっていた。

内容に関してはアルコール依存症治療プログラム(ARP)の記事で紹介しようと思う。それ以外には退院後の生活を見据えた作業療法の時間が設けられており、こちらに関しては自由参加となっていた。作業療法に関してはアルコール依存症以外の精神疾患患者も一緒に参加する。

週間のルーティンのスケジュール。ここに医師との診察や面会などイレギュラーものも入ってくる。

予定が入っていない空欄の時間帯は自由時間だから、シェアルームでテレビを見て過ごしたり、読書や廊下で散歩をすることもできるよ。

起床時刻について

起床時刻に関しては毎日同じ時刻で、6時起床と決まっていた。

6時になると院内放送で起床のアナウンスが流れる。その後すぐに看護師が各病室を回りカーテンを開けていくので朝が苦手な方は少し辛いかもしれない。

6時より早く目覚めてしまっても、アナウンスが流れるまでは基本的にベッドに居なければならない。(消灯中でもトイレは行ってよい。病室から出てそれ以外の行動をしていると見回りの看護師の方に注意される。)

8時の朝食までは自由時間なので、起床時刻を過ぎても8時までは寝ていてもよい。6時に起きて活動を始める患者と寝て過ごす患者は大体半々くらいだったと思う。

歯磨きや洗顔をしたり、シェアルームでテレビを見て過ごす人が多い。また、新聞が1部シェアルームに届けられるので、それを皆で回しながら共有して読んでいた。毎朝、体重測定や服薬が必要な患者は朝食までにナースステーションへ行き済ませる必要がある。

就寝時刻について

就寝時刻も、起床時刻と同じように毎日21時と決まっていた。その後21時30分になると看護師が病室の見回りにきて、消灯していない病室があればすべて消灯していく。

夕食後は就寝まで自由時間となるので就寝時刻より早めに寝ることも可能だが、病室の明かりを消すのは病室内の4人の同意が必要である。

また、就寝前に睡眠導入剤などを服薬する患者も多いのだが、就寝前の薬をもらえるのは大体20時30分からだった。早く寝たいからと早い時間帯に薬をもらおうとする患者もいたが、そうすると朝の目覚めが早くなりすぎるため、医師の指示により服薬の時刻はコントロールされていた。

消灯から起床までの間は、夜勤の看護師の方が定期的に見回りに来る。

アルコール依存症以外の精神疾患の患者も同じ病室に居たため、消灯後もじっとしていられず活動してまう患者もいた(おそらく統合失調症と思う)また、制限されているお菓子や水などを大量に飲食してしまう患者もいた(精神病病棟で水を大量に飲みすぎて水中毒になる患者も多いらしい)

どうしても眠れない場合は看護師さんに相談すれば、消灯されたシェアルームで座って過ごすこともできるよ。

食事について

食事は毎日3回、8時に朝食、12時に昼食、18時に夕食と決まっていた。(病院の都合により多少遅れることはある)また、大きなワゴンで病棟内を順番に回りながら配膳するため、部屋によっては回ってくるまでに10分くらいかかることも多い。

みんな食事が入院中の大きな楽しみなので、少し遅れるとイライラする人も多かった。早く食べたい人は自分の病室に回ってくる前に、自分で食事を取りに行っていた。

食事の際は基本的には自分のベッドに備え付けのチェスト(床頭台)からテーブルを出して食べる。自分で食事が困難な患者や、嚥下に心配のある患者はシェアルームのテーブルで食べる。シェアルームでは看護師の方が食事中ずっと居るのでこのような患者も安心して食事ができる。

食べ終わったら、各自トレイを持ってシェアルームにあるワゴンまで食器を返却する。この時残飯はすべてゴミ箱に捨てるが、いつも残す患者は、どれくらい残したのかを看護師にチェックされる。また、残して後で食べたりということは原則できない。

どうしても具合が悪くて後で食べたいという場合は看護師に相談してナースステーションで一旦食事を預かってもらうこともできるようだった。その後食べられるようになればナースステーションで食べていた人を見たことがある。

とても楽しみな食事の時間であるが、食べている時間はせいぜい10分から15分くらいだ。中にはもっと早く食べ終わる人もいる。

食事の時間が始まってから20~30分くらい経つと看護師が各病室を回り回収していない食器がないかチェックする。食事の時間の流れはこのような感じだが、食事の内容や献立はまた別の記事で紹介したいと思う。

朝の回診について

毎朝9時に看護師の回診がある。コロナ禍ということもあってかもしれないが、体温を毎日測っていた。

9時前になるとアナウンスが流れ、患者は自分のベッドに戻るように促される。そこから順番に各病室に看護師が回っていき、体温測定、脈拍測定、便の海洲チェックを行う。また、ここで医師との診察の予約をすることができる。

医師は忙しいので外来だとすぐに診察するをお願いすることは難しいのだが、入院患者であれば担当医の診察日の朝に予約をお願いすると診察してくれることがほとんどだ。一部、ややこしい患者は診察の依頼を出しても後日に回されることもあるので注意が必要だ。

また、朝の回診は看護師と患者の朝の挨拶を兼ねていると言っても過言ではない。お互いに良いコミュニケーションが取れればその後の入院生活がスムーズになるだろう。看護師が来る前には体調不良などを除き、できるだけベッドで待っているようにするべきである。

お互いに信頼関係を築ければよい入院生活が送れる。診察の予約に関して無理を言いすぎる人や、回診の時間になっても病室に戻らずシャアルームでテレビを見続ける人は、やはり看護師から嫌な目で見られていたと思う。

ただし、大人しすぎてもいけない。医師の診察を受けたければしっかりと診察の希望を看護師に伝える必要がある。

私の場合は、ある程度の期間がたてば診察があるだろうと思っていたが、入院から3週間経っても診察はなく、こちらから診察希望を出して初めて診察してもらった。このような事例は何人か聞いたので注意が必要だと思う。

朝の回診は毎日の自分の健康状態を伝える大切な機会。

もちろん回診の時間以外でも看護師さんに相談することはできるよ。

入浴について

入浴に関しては週に2回となっていた。入浴する曜日が決まっており、浴場の広さは制限があるため、部屋番号をもとに順番に呼ばれるというシステムになっていた。もちろん入浴も患者にとっては一大イベントの一つであるため、不満が出ないよう一番風呂は部屋番で順繰りローテーションするようになっていた。

また、順番待ちが多いためゆっくりと入浴で来るような状況ではなく、洗って浸かったら出ていくというような感じだ。更衣室も狭くタイミングよく上がらないと混雑してしまう。

入浴の時間は患者によって変わる。一人での入浴が困難な人は介助が必要のなので時間がかかるし、シャワーだけで済ませる人、ゆっくり湯舟に浸かる人など、まちまちなので入浴に関しては時刻は決められておらず曖昧だった。

患者側としては、午前中に風呂に入れるか、午後になるかは微妙で入浴順の表を見ながら予測するしかなかった。入浴に呼ばれるタイミングで、診察と重なれば診察が優先になり入浴は後回しとなるが、入浴と作業療法が重なればどちらを優先するかは選択できた。

シーツ交換について

シーツ交換は週に一回行われた。土曜日か日曜日のいずれかに一斉に病棟内を清掃するタイミングがあり、シーツ交換もそのタイミングで行われる。自分で動ける患者は自分のベッドのシーツ、布団カバー、枕カバー、を外して新しいものをもらい付け替える。自分でできない患者はもちろんやってもらえる。

これもタイミングが順番に回ってくるため、時間帯の予測が難しいが、自分でできる患者はできるだけ自分たちで行っていたような印象が残っている。

まとめ

以上入院中の主なスケジュールを紹介した。他にも入院中に注意したほうが良いと思った項目はいくつもあるため、別の記事で紹介しようと思う。

当たり前だけど、病院によって細かなルールに違いがあるので、

入院前にいろいろな病院の情報を調べるのがおススメ。

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